現在位置ホーム > 教育・文化・スポーツ > 三芳町在住の岩井亜咲さんがショパン国際ピアノコンクール本大会に出場
ショパン国際コンクール本大会に出場した、岩井亜咲さんのインタビューがワルシャワから届きました!
残念ながら次のステージには進めませんでしたが、とても素晴らしい演奏に魅了されました。
本大会の思い出や気持ちをご覧ください。
—ショパンコンクールのステージに出た瞬間は、どのような気持ちでしたか?
これまで何回か他の方の演奏を聴きに来たり、YouTubeの配信を観たりしていたので、ステージに出る時の流れはなんとなくわかっていたつもりなのですが、プログラムと名前が読み上げられたら思ったよりすぐに拍手が始まってしまって。気持ちを整えるまえに「プリーズ!」と舞台に出るよう促されてしまって。鼓動も高まり、ステージに上がる数段の階段も長く感じました。気持ちを整えるために、ゆっくり時間をかけて登ってしまいました。
—確かに客席で見ていて、なかなか出てこないなと思いました(笑)。
そうなんですよ。ステージに出てからの段差も、転んだりするかもしれないのでゆっくり歩いていきました。弾く前にそこが気になってしまって。あそこを走って出てくる方は、すごいなと思います(笑)。
—演奏してみて、いかがでしたか?
ステージで弾いていると、ちゃんとピアノが鳴っているのかわからなくて、もっと一生懸命力を入れた方がいいのか、力を抜いた方がいいのか考えながら弾いていました。あっという間でしたね。
もっとピアノを鳴らすことができたかもしれないなど、部分的な反省はあります。でも、小さな枠の中かもしれませんが、自分がやりたかった音楽はできました。今後の課題を得られたという意味では、多くのものを持ち帰ることができます。
—出発前には、コピスみよしで壮行演奏会もあったそうですね。
そうなんです、急遽開催してくださって、とてもいい経験になりました。
—コンクール1年の延期により準備期間が長くなりましたが、その間、ショパンに対して新たに気づいたことや感情の変化はありましたか?
最初は、弾くということばかりに意識がいっていました。予備予選に出場できると決まった時にもまだ実感がわかなくて。まだ、ショパンの本当の音楽をわかろうとすらしていなかったのかもしれません。
でもこの7月にワルシャワの予備予選で演奏して、それからの短期間で、彼の繊細だけれど信念のある筋の通った性格が、自分の中ではっきりしてくるところがありました。勝手にわかってきたと感じているだけかもしませんが、それに伴って、あまり迷う必要はないと感じられるようになりました。
ショパンの人生の喜怒哀楽が、楽譜や資料に多少なりとも残されていて、それを私はただ素直に読み取って出していくだけ、余計なことは加えなくていい、表現しなくていいんだと思うようになりました。シンプルに吸収して、素直に表現するといいますか。それが正解かはわかりませんが、自分の中で筋が通っていればいいんだと。
そう思えるようになったのは最近のことです。
—勉強して、考えて、練習してきたあと、最後ここにきてすっと霧が晴れたような。
そうですね。予備予選で演奏したこと自体がいい経験でした。そこから大きく演奏が変わったわけではないかもしれませんが、自分の中では感じ方が変わりました。
さらにいうと、今回は演奏順が5日目の最終日で、出番まで待ち時間が長かったなか、3日目くらいに気持ちのピークのようなものがきて、聖十字架教会にいってもどこにいても泣けてくる、みたいなときがあったのです。ショパンと向き合えている気がしたとか、そんなかっこいいことではなくて、多分緊張と不安がピークに達していたからだと思うのですが…。でも後半になって、その山をちょっと越えたことで、本番は落ち着いた状態で臨むことができました。そのピークの時に本番だったら、心も音楽も調整できないままだったかもしれません!
ショパンコンクールの舞台に立てた、それだけでも、成長できたと感じています。人生においてすごく大きなステップアップになりました。
(取材・文: 高坂はる香)
ショパン国際コンクールの演奏は下記よりご覧いただけます。
ショパン国際コンクール本大会一次予選での岩井さんの演奏時間・演目が確定しました。
演奏の様子はリアルタイムで配信されますので、ぜひご覧ください。
日時 | 2021年10月7日(木)17時00分から17時30分(日本時間) |
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会場 | ワルシャワ・フィルハーモニック・コンサートホール |
演目 |
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配信 | ポーランド国立ショパン研究所公式Youtubeチャンネル(外部サイト) |
ポーランドに到着した岩井亜咲さん
コンクールが行われる首都ワルシャワの街
三芳町在住で東京藝術大学音楽学部器楽科ピアノ専攻3年生の岩井亜咲さんが、2021年10月にポーランドで開催される「ショパン国際コンクール」本大会に出場することが決定しました。
ショパン国際コンクールは音楽コンクールの最高峰とされており、チャイコフスキー国際コンクール、エリザベート王妃国際音楽コンクールとともに世界三大コンクールと称されています。過去には、故中村紘子さん、内田光子さん、小山実稚恵さん、横山幸雄さん、宮谷理香さんらが入賞を果たしており、世界をめざすピアニストの登竜門となるコンクールです。
課題曲はショパンの作品のみとなっており、エチュード、ソナタ、幻想曲、ワルツ、ノクターン、協奏曲など多岐にわたります。
出場者は予備審査(書類、演奏動画)と予備予選(ポーランドで実施。2021年は7月に実施されました)を経て、本大会へと進みます。本大会は一次、二次、三次予選を経て、本選が行われます。
7月にポーランド・ワルシャワで行われた予備予選の演奏動画(外部サイト)
岩井亜咲さん
このコンクールに出場することが、幼い頃からの目標の一つでした。
音源審査、またワルシャワでの予備予選(7月)を経て、本大会に出場することができて、大変嬉しく思います。
ショパンは私の大好きな作曲家であり、彼の精神に少しでも近づけるように、日々練習に励んでおります。
三芳町では、壮行会を兼ねて岩井亜咲さんの特別リサイタルを開催します。
日程 | 2021年9月19日(日) |
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時間 | 15時00分開演(14時15分開場)※公演時間約60分 |
会場 | コピスみよし(三芳町文化会館) |
演目 | ショパン
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料金 | 無料(事前予約制・先着順) |
申込方法 | 本公演は終了しました。 |
2000年生まれ。三芳町在住。東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校を経て、東京藝術大学在学中。現在3年生。
第25回彩の国埼玉ピアノコンクール中学生部門第1位および埼玉県知事賞、同第28回高校生部門第2位。第71回全日本学生音楽コンクール高校の部東京大会入選。埼玉新人演奏会、全国新聞社主催『交流の響き』に出演。2020年ショパン音楽大学春期ピアノセミナー受講、修了コンサートに出演。第37回かながわ音楽コンクールピアノ部門第1位。2021年宗次エンジェル基金/(公社)日本演奏連盟新進演奏家国内奨学金制度奨学生。
これまでに、高島真知子、木村真由美、白水芳枝、藤井隆史、有森博の各氏に師事。
(ショパン国際コンクールHPより引用)
(ショパン国際コンクールHPより引用)
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