町長のオープンドア 山本 顕一さん
活動内容:執筆活動
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令和7年度第3回は、第二次世界大戦後、シベリアの強制収容所に不当に抑留された父・山本幡男さんからの遺書を受け取り、執筆に取り組まれた町内在住の山本顕一さん(御年90歳)にお話を伺いしました。

収容所(ラーゲリ)から家族にあてられた遺書
執筆活動のはじまりは、顕一さんが20歳の頃、シベリアの強制収容所で病気のため命を落とした父・幡男さんから家族にあてた遺書を受け取ったことでした。当時、紙に書かれたものをソ連の国外に持ち出すことは厳禁であったため、収容所の仲間たちが4,000字に及ぶ遺書を分担して暗記し、ご遺族に伝えました。

幡男さんが遺書の中で特に繰り返していた言葉は「道義」です。人を裏切ってはならない、利己心のために他人を犠牲にしてはならないことを意味します。遺書には、『最後に勝つものは道義であり、誠であり、まごころである』、『最後に勝つものは道義だぞ』という強いメッセージが記されていました。顕一さんは、父が何をおいても伝えたかったことは、『道義を失った人間はみじめに生を終える、道義こそが最終的に人間を支える、ということであったであろう。』と著書で述べています。
顕一さんの母・モジミさんが赤十字を通じてシベリアの収容所所長へ「せめて何か遺品を送り返してもらえないか」と手紙を書いたところ、父・幡男さんが抑留中に制作した手書きの壁新聞が届いたそうです。当時の収容所では、ロシアの新聞を読むことができ、捕虜たちは日本に帰れる希望が持てるようなニュースを選び、日本語に翻訳しながら壁新聞を作成していたとのことです。
対談では、世界に2つしか現存しないとされる壁新聞のほか、厚生労働省を通じて旧ソ連から届いた父の直筆の俘虜用郵便葉書や絵画、収容所の仲間が暗記した遺書を文字に起こした文書など、貴重な資料を拝見しました。

今年は戦後80年を迎え、戦争について改めて見つめ直す節目の年となりました。戦争の悲惨さを身をもって経験された顕一さんは対談の最後に、戦争を知らない若い世代に向け、「戦争の影響を被った最後の世代として、戦争は絶対に繰り返してはならない、そして平和の尊さを伝えたい」と語りました。これを受け町長は「今回の対談を通して、私たち一人ひとりが平和の大切さを胸に刻み、世界の平和のためにできることを一つ一つ行動に移していかなければならないと強く感じました」と話し、対談を締めくくりました。
(注)山本さんの著書は町立図書館で貸出可能です。


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