国保加入者の減少や医療費の増加に対し、国民健康保険特別会計の歳入不足を補い、将来的にも持続可能な安定した国保事業の運営を行うため、令和7年度の保険税率を改正します。
町の国民健康保険財政は、基金や繰越金を活用しながら、平成30年度以降税率を据え置いてきました。また、県と協力して健康づくりと医療費抑制にも積極的に取り組み、市町村が実施する健康づくり事業の取組を評価する項目などで上位を維持していて、これらの交付金が増えることで保険税率の上昇を抑えてきました。
しかしながら、町が医療機関に支払う医療費(保険給付費)は、被保険者の高齢化や医療の高度化などにより増加しています。一方で三芳町では平成30年度以降保険税率を据え置いているため、1人当たりの保険税収入は変わらず、増加する医療費を賄いきれない厳しい状況となっています。
これまで保険税率が上昇しないよう基金や繰越金を活用してきましたが、それも令和6年度時点でほぼ使い切り、令和7年度は基金等による補填が見込めない状況です。
安定的な国保運営を図り、収入と支出のバランスが取れた適切な税率を設定する必要があることから令和7年度に以下のとおり税率を改正することとなりました。
税率等区分 | 令和6年度(現行) | 令和7年度(改正後) | 比較 | |
---|---|---|---|---|
医療分 (加入者全員) |
所得割 | 7.00% | 7.97% | 0.97% |
均等割 | 33,000円 | 34,300円 | 1,300円 | |
賦課限度額 | 650,000円 | 650,000円 | 0円 | |
後期分 (加入者全員) |
所得割 | 2.40% | 3.24% | 0.84% |
均等割 | 9,000円 | 11,100円 | 2,100円 | |
賦課限度額 | 220,000円 | 240,000円 |
20,000円 |
|
介護分 (40~64歳) |
所得割 | 1.50% | 2.39% | 0.89% |
均等割 | 11,000円 | 14,800円 | 3,800円 | |
賦課限度額 | 170,000円 | 170,000円 | 0円 | |
合計 ※()内は医療・後期の計 |
所得割 |
10.90% (9.4%) |
13.60% (11.21%) |
2.70% (1.81%) |
均等割 |
53,000円 (42,000円) |
60,200円 (45,400円) |
7,200円 (3,400円) |
|
賦課限度額 |
1,040,000円 (870,000円) |
1,060,000円 (890,000円) |
20,000円 (20,000円) |
※所得割とは、加入者の世帯の所得に応じて計算されるものです。均等割とは、加入者一人一人にかかるものです。
※賦課限度額は国民健康保険税の上限を定めたもので、国基準(令和7年度は令和6年度法定額)となります。
今回の税率改正の影響により、被保険者1人当たりで、年間平均23,712円増額となることを見込んでいます。実際の増減額は世帯の所得や世帯構成によって異なります。
※令和6年11月末時点で試算
令和6年度(現行) | 令和7年度(改正後) | 増減 | |
---|---|---|---|
1人当たり平均税額(年額) | 124,267円 | 147,980円 | +23,712円 |
1世帯当たり平均税額(年額) | 177,090円 | 209,135円 | +32,045円 |
※簡易的な試算となりますので、実際の課税額とは異なります。
①年齢70歳 年金年収150万円 1人世帯(均等割の7割軽減に該当)
令和6年度(現行) | 令和7年度(改正後) | 比較 |
---|---|---|
12,600円 | 13,620円 | 1,020円 |
②年齢70歳夫婦 夫の年金収入300万円 妻の年金収入100万円 2人世帯
令和6年度(現行) | 令和7年度(改正後) | 比較 |
---|---|---|
222,180円 | 255,587円 | 33,407円 |
③年齢40歳夫婦 夫の給与収入500万円 4人世帯 小学生と中学生の子が2人
令和6年度(現行) | 令和7年度(改正後) | 比較 |
---|---|---|
531,170円 | 636,880円 | 105,710円 |
国民健康保険制度は、法改正により平成30年度から県が財政運営の責任主体となりました。県では、「埼玉県国民健康保険運営方針」を定め、一般会計からの法定外繰入の解消や医療費適正化、事務の広域化・効率化を進めています。運営方針では、県から市町村に示される「市町村標準保険税率」に基づき、税率を決定します。将来的には、加入者間の公平性の確保のため、県内どこの市町村でも同じ保険税水準となるよう統一を目指しています。
医療の高度化などの影響により年々1人当たりの医療費が増え続けています。医療費を減少させることが、保険税の引上げを抑制するためにとても重要です。
特定健康診査や人間ドックを毎年受けることで体の変化がわかるため、早い段階で体の異常に気づくことができます。さらに、三芳町では健診結果で異常があった人やメタボリックシンドロームの疑いがある人には、管理栄養士が個人に合わせた生活習慣病の改善方法を助言する健康相談を行っています。
これらを活用し、未然に病気を予防、または早期発見、早期治療により重症化を防ぐことで医療費増加の抑制につながりますので、年に1回は受診をお願いします。
また、ジェネリック医薬品(後発医薬品)の効果的な利用やお薬の管理(飲み残しの確認)なども併せてお願いします。
国民健康保険に加入している方一人一人のご協力が、安定的な国保運営を行う上で必要となりますので、どうかご理解ご協力いただきますようお願いします。
住民課/保険年金担当
電話:049-258-0019(内線:153~158) / FAX:049-274-1101
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