現在位置ホーム > 教育・文化・スポーツ > 教育だより > 平成20年度 旧島田家住宅 差し茅工事を行いました
三芳町指定文化財旧島田家住宅では、平成20年5月9日(金)から6月30日(月)まで茅葺屋根の差し茅工事を行いました。
平成19年度は屋根の北側と棟(グシ)の工事を実施し、今年度は東・南・西面の工事を実施します。今回工事をしてくれる職人さんたちは、前年度と同様にさいたま市と栃木県藤岡町から来てくれました。
屋根に上がるための足場を組んでいきます。旧島田家住宅は町の指定文化財ということもあり、足場の丸太が壁や柱にあたる場合は、直接壁にあたらない様に板をはさむなどの養生をしながら組んでいきます。
材料の「茅」が搬入されました。下から順次、茅を差していきます。
屋根の角の部分はゆるやかに湾曲しているので、その微妙な曲がり方は職人さんの手の感覚にゆだねられています。角の部分をそれぞれ違う職人さんが 作業すると、お互いに似せようとしても屋根の形が左右対称にはなりません。そのため、角の部分は親方が作業を行い、屋根の形のバランスを整えます。
茅屋根の補修や葺き替えは、通常なら冬に行います。それは、天候が安定していることや材料の茅は充分に枯れていなければならなかったり、屋根職人自体も本 業は農家で、農閑期の仕事として引き受けていた事などさまざまな理由があります。現在は、卸問屋が材料を確保しているので冬でなくても材料はそろいます が、天候だけはどうしようもありません。職人さんたちは、天気が良いうちにと晴れているときは朝早くから夕方暗くなるまで作業してくれました。
屋根の棟まで差し茅が終わると、今度は刈り込みしながら足場をはずしつつ下がっていきます。茅は固いので、1時間刈り込むと刈りバサミが切れなくなってしまいます。刃物を研ぎながら少しずつ刈っていきます。
鳥除けのアワビとテグスを張って、差し茅工事が完成しました。古民家は、少しずつ補修や手入れをしていくことで長期に使用することが可能となりま す。旧島田家住宅も約180年前の農家住宅を移築復元したものです。現在の場所に移築し開館から10年を過ぎて補修が必要な箇所が目立ってきましたが、茅 屋根の補修が完成したので雨漏り等の大きな心配がひとつ減りました。
文化財保護課
電話:049-258-6655 / FAX:049-258-8466
メールフォームによるお問い合わせ