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三芳町

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町長所信表明

林伊佐雄町長は、1月27日に開催された平成23年第1回三芳町議会臨時会の冒頭において、「住民主役の真の協働のまちづくり」実現に向けて所信表明を行いました。
ここに、その内容を掲載します。

 

平成23年第1回臨時議会

所信表明

おはようございます。議長に許可をいただきましたので、平成23年第1回三芳町臨時議会の開会に当たりまして、一言ご挨拶を申し上げます。

私は、このたびの三芳町長選挙におきまして、当選の栄に浴し、本年1月14日付けをもちまして、三芳町長に就任いたしました。過半の得票をいただくことができたとは言え、選挙結果を厳粛に受け止め、前任者をはじめ三芳町を築き上げてこられた諸先輩方のまちづくりへの思いをしっかりと受け継いで参ります。
今回の投票率が、前回より1.64ポイント伸び、住民の皆さまから支持をいただくことができましたのは、あくまでも政策中心の選挙を行い、住民の皆さまの声を幅広くお聞きし、策定したマニフェストが広く受入れられたものだと考えます。
世界同時不況以来、各自治体の財政状況は悪化しています。そうした中で、当町においても今後、公共施設の老朽化、都市基盤整備、また広域ごみ処理施設の建 設等大型の投資を控え、5年後には町債残高が、1.4倍(140億円強)になる見込みです。一方、地方分権が進み、自治体の経営能力の差がまちづくりの結 果に現れる時代になりました。
今回の町長選挙を通じて私が一貫して住民の皆さまに訴えて参りましたのは、当町が置かれた厳しい財政状況の中で、将来への明確なビジョンの再構築、積極的な情報公開、そして真の協働による住民自治のまちづくりです。その内容を政策体系に取りまとめたものが、「未来開 拓宣言」と題しましたマニフェストであります。3つの約束、7つの挑戦、43項目にわたる宣言から構成されています。私がこの任期中に取り組むべき政策 は、このマニフェストの中に集約されています。具体的な実施においては、第4次総合振興計画、第4次行政改革大綱との調整が必要ですが、基本的にはこのマニフェストに則り、任期中の職務を全うし、「明日の三芳町のために」舵を切っていきたいと考えております。
本日の所信表明にあたり、あらためてこのマニフェストの骨格をお伝えし、皆さまのご理解とご協力を賜りたいと思います。

はじめに、マニフェストを貫く「未来開拓宣言」についてであります

それぞれの町には、誕生の物語があります。三芳町は武蔵野台地にあり、かつては萱の原野でした。江戸時代、この地に夢と希望を抱いた農民が入植し、原野に鍬を入れ、苦難を乗り越えて新しい村を作りました。300年前に開拓されたこの地で、今、私達は様々な恩恵によって生かされています。
しかし、今日、子ども達を取り巻く環境は悪化し、先人達の残してくれた美しき雑木林も減少の一途を辿っています。また、世界的同時不況以来、町税は落ち込み、危機的な行財政運営になっています。先行きが不透明で閉塞感が漂っています。
私達は、先人から受け継いだこの町を、しっかり守り、古い行政スタイルを刷新し、発展させ、未来の子ども達に継承していかなければなりません。今こそ未来 の子ども達のために、開拓の心、創始の精神に立ちかえり、夢と希望を持ってまちづくりを行っていく、これが「未来開拓宣言」の思いです

次に、基本姿勢である3つの約束についてです。

第一に「住民とともにすすめる行財政改革」であります。まちづくりの主役は住民です。行財政改革は、行政だけがするのではなく、主権者である住民も積極的に参加して、痛みを伴うことがあるかもしれませんが、ともに進めていかなければなりません。地方自治の精神に則り、住民の自主性や自立性によって責任をもって運営される住民主役の真の協働のまちづくりを進めて参ります。
第二に「子どもの幸せを第一に」であります。乳幼児の虐待や不登校、引きこもり、いじめなど子どもの問題や親子の問題こそ、自治体が率先して取り組まなければならない課題です。教育は100年の計です。100年先の将来を見据え た理念と政策によって未来の日本、未来の三芳を背負う人を育てます。
第三に「お年寄りが憩えるふるさとに」であります。三芳町でも少子高齢化が 進み、65歳以上の高齢者人口が総人口に占める割合(高齢化率)が21%となり、超高齢社会を迎えました。一人ひとりのお年寄りが、三芳の豊かな自然の中で、心豊かにいきいきと安心して暮らせる町を創ります

次に、7つの挑戦と具体的な宣言について順次述べさせていただきます。

第一に「住民力が活きる協働の町」であります。
まちづくりは、主権者である住民の皆さまの積極的な参画が必要です。地域の課題を住民自らの知恵と能力で解決していく地域コミュニティーの力、すなわち「住民力」が求められます。そうした住民力が活きる真の協働の町を目指していきます。そのためには、計画段階、及び進行中の事業などの情報を積極的に開示していきます。徹底した情報公開と住民参加を一体となって進めていきます。
具体的には、財政白書を住民の皆さまとともに作成し「財政の見える化」の推進、民間の知恵とアイディアを活用した住民提案型事業委託、職員採用に民間人の試験官や組織の活性化と政策能力の向上を図るために民間人の登用、庁舎内に市民活動センターの設置と市民活動の支援、協働のまちづくりをさらに推進し、主権者である住民が自らの地域のあり方を自己決定できる自治基本条例の制定などに取り組みます。

第二に「待ったなしの行財政改革」であります。
行財政改革は待ったなしです。第4次行政改革大綱の推進期間は、平成22年度から26年度の5年間です。ややもすると、こうしたプランは絵に描いた餅、作って終わりとなってしまう傾向があります。行財政改革が一向に進まないのは、行政の前例踏襲主義があります。これを打破するには、職員の意識改革とより高い倫理意識と法令遵守体勢が必要です。不退転の決意で最重要課題の行革を推進していきます。
具体的には、事業仕分けを行い既存の事業の見直し、予算編成過程の公開、補助金の公募制、職員政策提案制度、職員定員管理適正化計画の見直しによる人件費の削減、町長給与削減、交際費の見直し、職員の公正な職務の遂行を確保し、住民に信頼される町政を確立するためのコンプライアンス条例(法令遵守)の制定などに取り組みます。

第三に「現場主義で自ら率先行動」であります。
町の現状や課題を把握するために、自ら現場主義で率先行動します。自ら進んで住民の声を直接聞くため現場に赴き、そして住民がいつでも気軽に話しかけられる環境を庁舎内に作ります。また、昨年、議会では政治倫理条例を制定しましたが、町長等特別職も高い倫理意識をもって職務を遂行していきます。
具体的には、小中学校や企業等の町内各所の出前訪問、対話ミーティングの開催、町長室の廃止による庁舎の有効活用、1階フロアに町長席の設置、また近距離移動は自転車にし町内把握とエコロジーに配慮、町長、副町長、教育長等、特別職の政治倫理条例の制定などに取り組みます

第四に「子どもの心を育む町」であります。
子どもは、将来の三芳町を担う大切な宝です。子ども達が日々のびのびと生活ができ、豊かな情操を育むことができるように、地域全体でサポートしていくことが大切です。未来の子ども達のために、教育環境を整備し、教育改革を積極的に推進していきます。
具体的には、「ブックスタート・プラス」等で「読書の町」として読書環境を充実、空調の設置により快適な学習環境の整備、公共施設の耐震化工事の推進や歩道の整備、緑の学校ファームによる食育の推進、アジアの青少年との国際交流、青少年の健全育成のためのスポーツ振興などに取り組みま

第五に「子育てで住みたくなる町」であります。
活力があり元気な町は、若い人があこがれ、住みたいと思う町です。社会情勢の変化で共働きの家庭が増えています。子育てと仕事が両立できる環境を作り、子育てで住みたくなる「子育ての町・三芳」にします。また、一日憩える大きな自然公園を望む声が多くあり、「緑の基本計画」の中に多福寺の森公園、庁舎周辺の緑の公園を含む総合スポーツ公園構想があります。多様な生命が共存している豊かな自然環境の中で子育てできる町を創ります。
具体的には、待機児童ゼロ、子育て支援センターの充実、子育て支援のNPOの充実、シングル家庭の支援、女性と子どもの命を守るためにワクチン接種助成、子どもからお年寄りまで憩える自然公園の開設に向けて取り組みます。

第六に「お年寄りが元気な町」であります。
ここ数年、独り暮らし高齢者の増加に伴って、「孤独死」の増加が社会問題としてクローズアップされています。孤独死の背景には、高齢化や核家族化、また近隣地域住民との関係の希薄化、失業やリストラ、離婚の増加など、さまざまな要因が絡み合っていると考 えられます。お年寄りがいつまでも元気な町を創ります。
具体的には、出かける時の足となる新たな公共交通網の整備、単身高齢者の孤独死を防ぐために、赤外線センサーによる安否確認システムの導入を調査研究、仲間づくりや健康づくりなど生きがいづくり事業の創設、地域医療の充実、障がい者が安心して住み続けられる町づくりなどに取り組みます。

第七に「農に親しむ、緑豊かな町」であります。
住環境をとりまく緑の存在は、暮らしに潤いや安らぎを与えてくれます。また、防災やヒートアイランド対策、美しい景観の創出、生態系の保全といった役割もあります。三芳町は、首都圏30キロメートル圏内で「日本の里100選」に選ばれた三富新田に代表されるように農と緑が調和した町です。その他にもこぶしの里、竹間沢車人形、狭山茶、川越いも、そばや美味しい三芳野菜など、多くの歴史、景観、産物など豊かな観光資源があります。これらを有機的に結びつけ、活用し「住んでよし、訪れてよし」の観光の町づくりを推進します。さらに、こうした資源を対外的に発信する広報機能を充実させます。
 具体的には、「農業の町三芳」をキャッチフレーズに体験農園、市民農園の開設支援、三芳野菜のブランド化、農・商・ 工・連携により地域経済の活性化と6次産業化の支援、三富新田で世界一の「いも掘り大会」の開催、平地林・保存樹木の保全、町の観光資源を発掘、活用し観 光の町づくりを進めます

以上7つの挑戦について述べましたが、マニフェストは作って終わりではなく、大切なことは、どのように実行し、それを評価し、そして、その政策がどこまで進んでいるかを有権者の皆さまに情報公開し、説明責任を果たしていくことです。しかし、一方で決してマニフェスト至上主義に陥ることなく、国や県の政策や 動向、財政状況や、住民ニーズにも柔軟に対応していくことも必要です。この「マニフェスト提示→実行→評価→説明、場合によっては改善」というマニフェストサイクルを実現していき、政治改革を行っていきます。そして、政治への信頼を、地方から、この三芳から回復させていきたいと考えています。

以上、これからの町政運営についての所信を述べさせて頂きました。住民の皆さまの幸せを実現することが、行政の最大の使命です。多くの住民の皆さまの「民意」を受け、愛する三芳町のために、未来の子ども達のために粉骨砕身尽力する決意でございます。住民の皆さま、議員の皆さま、そして職員の皆さま、 どうぞ心を一つにして共に「明日の三芳町のために」新たな道のりを歩んで頂きますようお願い申し上げます。そして私は、そのために必要なコミュニケーションは決して厭わず、汗をかくことを惜しまず、現場を何より大切にする町政を、必ず実現してまいります。
深いご理解と、絶大なるお力添えを賜りますよう、心よりお願い申し上げ所信表明といたします。

三芳町長  林 伊佐雄

 

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