三芳町は長らく普通交付税不交付団体(国からの交付税による補てんを受けない自治体)で、それに見合った住民サービスを提供してきたところでしたが、税収の伸び悩みや、経常経費(特に公債費・扶助費等)の増加により、財政の硬直化が進んできています。
インフラの老朽化や、住民の価値観の多様化、急速な高齢化、人口減といった課題に加えて、コロナ禍による財政への影響、急速なデジタル化、新たな価値観としてのSDGsなど、対応しなければならないものが数多くあります。
三芳町第5次総合計画では、緊急重点プロジェクトとして行財政基盤強化プロジェクトを位置付けており、本大綱はこのうちの行政改革の推進を効果的に実施するため、今後町が取り組むべき行政改革を具体化したものです。
本大綱は、前述の現状と課題を踏まえて、基本理念を「みんなでつくる 持続可能なスマートタウン 三芳」と設定し、積極的に行政改革を取り組んでいきます。
この基本理念は、総合計画の将来像における「持続可能なまちづくり」や「特性・資源を活かすまちづくり」を念頭に置いて、 行政のDX(デジタル・トランスフォーメーション。情報通信技術の浸透により人々の生活をより良い方向へ変化させること)が進む中でデジタル化や社会変革に対応し、次世代の三芳町をつくっていくイメージを表したものです。
本大綱では具体的な指標を設けて、全職員で達成目標を共有し、達成するためのアクションプランを遂行していきます。
新型コロナウイルス感染拡大の影響によって大幅な税収減が見込まれますが、質の高い行政サービスを提供するためには、より戦略的に新たな財源を確保する仕組みづくり、限られた人的・物的資源を効率的に活用する仕組みづくりが必要となってきます。さらに、公共施設マネジメントに基づく公共施設の計画的な修繕や延べ面積減等、公有財産の有効活用や、その他長期的な視野による歳出抑制策も進めていきます。
加えて、このような状況下によって住民の外出が減る中でも、身体の健康・心の健康を維持するための取組も進め、健康増進による社会保障費の抑制の効果も踏まえて推進していきます。
数年前とは社会情勢が大きく変わり、さらに将来的には後期高齢者の急増や本格的な人口減などが予測されている中で、不測の事態にも臨機応変に対応できる体制づくりを行い、町を未来へつなぐことができるように取り組んでいきます。
限られた人員で多様化する住民ニーズや変化する社会情勢に対応していくためには、現在、さらにその先の未来を見据えて業務に取り組む必要があります。職員一人ひとりが、「選択と集中」を念頭に置き、旧来の業務をより新しく、より良いサービスに切り替えていく意識を持ち、行政のみでサービスを担うのではなく、公共サービスの内容をオープンにしながらアウトソーシング等を促進し、様々な団体との連携を進めていくことが重要となります。
また、質の高い行政サービスを提供するためには、職員のモチベーションを高めて、誇りを持って働けるように、組織風土改革、職場の環境整備を進める必要があります。いわゆる「働き方改革」や「同一労働同一賃金」の議論も引き続き検討していきます。
昨今、生産年齢人口の減による労働力の不足や税収の伸び悩みが危惧されている一方で、加速度的に進む技術発展によりそれを補うシステムが、「Society5.0」と呼ばれる変革をもたらしています。今後も現在の行政サービスを持続しながら住民福祉を向上していくためには、財源の確保はもとより、業務プロセス・システムの標準化やICTの利活用、デジタル化を進めていく必要があります。
「新たな生活様式」への移行が求められている中では、行政サービスもこれに合わせて変化することが求められています。直接相対しないオンライン会議の実施や電子申請・オンライン申請などを浸透させて、「住民の健康を守る」とともに「行政手続きの簡素化」の取組を推進していきます。
本大綱の計画期間は、社会情勢の変化への対応や計画の実効性を担保し、次期総合計画との連携を図るため、進捗管理のしやすいよう3年間の計画とし、2021(令和3)年度から2023(令和5)年度までとします。
また、目標は2023(令和5)年度に「経常収支比率93%以下」と「財政調整基金を標準財政規模に対し10%以上確保すること」を目指すものとします。
これは、財政健全化を目指すものでありまして、第5次総合計画の目標に合わせて設定するものです。
※経常収支比率とは、経常的な収入のうち町税や地方交付税などの使途の特定されない一般財源に対し、必ず支出しなければならない経費の割合のこと。当町では1%の削減に9千万~1億円程度の経常一般財源増・経常経費減の効果額が求められるところです。
※財政調整基金とは、町税等の財源不足や災害などの際に活用して将来負担を抑える目的の基金で、家庭における貯金にあたります。
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